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春セミナー2019†
- 春セミナーとは
- S2S団員が勉強してきたことを一般に向けて講義します。非団員の方や高校生の方、どんな方でも参加できます。また部分参加も可能ですのでぜひお越し下さい!
- 時期
- 3/20,22,27,28,29の3,4,5限
- 場所
- 3/20,27京都大学吉田キャンパス北部構内理学研究科6号館303号室
3/22,28,29 6号館207号室
プログラム†
- 3限…13:00〜14:30, 4限…14:45〜16:15, 5限…16:30〜18:00
| 03/20 | 03/27 | 03/28 | 03/29 |
3限 | 3次元を視る(木津) | C型肝炎と微分方程式(田中) | 天文学の実際(角田) | SerreのGAGAについて(今池) |
4限 | 圏論的双対性の論理(paper3510mm) | フランス語で数学書を読もう(田中) | arXiv:1803.04993を読む(島地) | 絶対性について(中田) |
5限 | 絶対ガロア群の素朴な理解(明石) | 有限次元位相線形空間(リサージュ) | | モース理論的思考のススメ(まさおにい) |
- タイトル:3次元を視る
- 前提知識:位相空間の初歩
- アブストラクト:3次元の世界の住人である私たちは3次元のもの(向き付け可能な閉3次元多様体)の形を全体を一望して俯瞰することは普通出来ません. その形を理解する方法の一つにHeegaard分解と呼ばれるものがあります. 今回は具体的な3次元多様体をHeegaard分解していき, 3次元が視え(た気にな)ることを目標にしてお話しします.
paper3510mm†
- タイトル: 圏論的双対性の論理
- 前提知識: 圏論
- アブストラクト:
ブール代数の圏とストーン空間の圏の間の反変圏同値を主張するStone双対性において、2という対象が特異な働きをしていました。すなわち、ブール代数とストーン空間の両方の構造を備え、2への二つの反変ホム関手Hom(--,2)がその双対性を導きました。この「二つの圏に棲む一つの特別な対象(ヤヌス対象)がHom関手によって双対性を誘導する」という構図は、Stone双対性に限らず他の双対性(Gelfand-Naimark, Pontrjagin)に関しても当てはまり、裏に隠れた共通理論の存在が示唆されます。本講演では、ヤヌス対象とそれが誘導する双対性についての一般論を述べた後、過度な抽象化により捨象されたこの理論の問題点を指摘し、適度な一般論を目指した丸山善宏さんによる研究を紹介したいと思います。
- タイトル:絶対ガロア群の素朴な理解
- 前提知識:準同型定理,基本近傍系についての群論環論,位相空間の主張や定義. (単拡大,代数閉包,ガロア対応についての定義や事実を知っている方が望ましいが, これは復習すると思う.)
- アブストラクト:絶対ガロア群は体ごとに定義される巨大な群ですが, その構造は体上のガロア群を束ねたようなものになっています. その様子を正規拡大(ガロア拡大)の特徴づけや無限次ガロア対応の主張を通して, 素朴にみていこうと思います.
- タイトル:C型肝炎と微分方程式
- 前提知識:微積(ロトカヴォルテラなどの簡単な力学系を軽く聞いたことがあれば話はわかりやすい)
- アブストラクト:TBA
- タイトル:フランス語で数学書を読もう
- 前提知識:なし(英語で(数学の)専門書を読んだことがあれば勉強しやすい様にします)
- アブストラクト:TBA
- タイトル:有限次元位相線形空間
- 前提知識:線型代数と複素関数論の基礎
- アブストラクト:有限次元位相線形空間についてしゃべります。通常1、2回生での線形代数では位相構造を入れたベクトル空間は殆ど扱いません。真面目に扱うのは3回生以降の関数解析ですが、今度はベクトル空間が無限次元であるために位相構造の入れ方が多すぎて難しくなります。有限次元では位相の入れ方が本質的に一つしかないため易しくなりますが、それでも興味深い話が沢山あるので、いくつか紹介したいと思います。
- タイトル:天文学の実際
- 前提知識:地球が太陽の周りを回っていることとか、小学生並みの知識
- アブストラクト:皆さんは、天文学がどのような学問であるかご存知ですか。現代の天文学の研究の対象は、惑星や衛星、太陽をはじめとする恒星、ブラックホール、銀河、星間ガス、初期宇宙など、そのスケールは多種多様です。また、手法も、望遠鏡による観測の他に、コンピュータによる数値計算や小惑星からのサンプルリターンなど、様々なものがあります。今回の講義では、天文学の研究分野を概観し、実際にどのように研究が進められているのかを話したいと思います。
- タイトル:arXiv:1803.04993を読む
- 前提知識:特殊相対論とか関数解析とか場の量子論の言葉遣いに慣れていると嬉しいですが、できるだけself containedに解説してみたいと今のところの思ってます。
- アブストラクト:
Wittenの論文arXiv:1803.04993の解説をします。
近年、場の量子論におけるエンタングルメントが物理の分野で注目されていますが、この論文では、それを作用素環論を用いて数学的に調べる試みを紹介しています。
- タイトル:SerreのGAGAについて
- 前提知識:層とコホモロジーについて、できれば代数多様体か解析空間のどちらか
- アブストラクト:代数幾何と解析幾何のつながりに関する理論であるGAGAについて、Serreの原論文に沿って主張と簡単な証明、時間があればChowの定理などの応用について紹介しようと思います。
- タイトル:絶対性について
- 前提知識:論理式や証明の定義に親しみがあれば特になし、ZFCの公理を眺めてくれば完璧です
- アブストラクト:
集合論やモデル理論で特に重要な”絶対性”という概念について話します。
絶対性とは平たく言えば「どんな世界でも成否は同じ」を表す言葉で、様々な絶対性を調べる内に、Riemann予想の証明に選択公理は(使ってもいいけど)必要ないことがわかったりします。
またGoldbach予想や双子素数予想など、数々の数論的未解決問題とZFCとの独立性の未来についても考えてみます。
まさおにい†
- タイトル:モース理論的思考のススメ
- 前提知識:多様体論の基本的なこと。
関数の微分とかベクトル場とか。
- アブストラクト:
モース理論は多様体上の関数の臨界点と多様体のトポロジーを結ぶ理論である。本講演では、関数の臨界点と勾配場のフローから代数を構成する方法を解説する。応用として、ストリングトポロジーについても触れるつもりである。