井上亜星(いのうえあせい)。数学系志望。整数論がやりたい。 アップロードしてるPDFについて「字が汚くて読みにくい」とか「うそが書いてある」とか 「美しくない」とか何か問題があるときにはどうか指摘してやってください。メールは48aまで。
問1.アーベル群G,H、NがありG/H=NかつN⊂GであるときG=N×Hになるか。
答.セミナー中に話題になった問題。判らない。完全系列が分裂する条件を考えれば、Nが自由Abel群ならGは直積になることがわかる。N⊂Gという必要条件が十分条件になるかどうか。
問2. F=Z/2Zとする。RをFの加算無限個の直積、IをFの加算無限個の直和とし、IをRのイデアルだとみなす。このときR/Iはflatであることを示せ。
答.RがBoolean ringであることから、Booleanは絶対平坦というすごい定理に帰着することを教えていただいた。0→I→Rに対してテンソルがexact functorなのかどうかで悩んでいたが、テンソルするとゼロになるという事実に気づいていなかった。
問3.RはGCD整域, IはRの射影的加群とする。このときIは単項イデアルであることを示せ.
答.Osborne「Basic Homological Algebra」(p.96)の問題。山崎圭次郎「環と加群」に答えがあった。いわく、整域の商体の部分加群が可逆であることと、0でない射影的加群であることが同値(p.393)。また、GCD整域の可逆イデアルは単項イデアル(p.451)。
問4.Rは体でないUFDとする。このとき
RがPID ⇔ Rのweak dimensionが1
答.これもOsborne(p.96)から。weak dimensionのところをKrull dimensionに置き換えれば可換環論の問題である。左→右は明らかなので、左←右を示したいが、対偶をとりPIDでないと仮定してweak dimensionが2以上であることを示せばよい。証明は次の通り。 RがPIDでないとする。このとき同伴でない素元p,qであってI=pR+qRが全体でないものがある。Iは明らかにfinitely generatedだが、RがUFDなのでfinitely presentedでもあることを教えていただいた。だからIがもしflatなら、Iはprojectiveであり問3より単項イデアルとなる。ところがRはUFDなのでこれは矛盾。よってIはflatでなく、 Rのweak dimensionは2以上であることが判る。
問5.二つの被覆写像の合成は被覆写像となるか。
答.出典がわからなくて困っている。
僕が好きなのは ①自明でない例がたくさん載っていて ②行間がほとんどない という二つの条件を満たす本。
詳しすぎるし古いので通読するには適さない。PIDのことを主イデアル整域と書いていたり、UFDのことをGauss整域と書いていたりして時代を感じる。しかし多くのことが載っていて頼りになる。
非常に説明が丁寧で、行間が存在しない。例が豊富とはいえないが、日本語のホモロジー代数の本はどれも行間がたくさんあるので、こういう本は貴重。お薦めの本。 演習問題の解答を作成中…。
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第1巻と第2巻はすでに定番の感がある。行間もなく例も多い良書。誤植は結構あるが、親切なことに正誤表が著者のホームページにある。第3巻の後半はいろんな話題のつまみぐいになっているのが残念だが、お薦めの本。可換環論についてはあんまり詳しく書いていないことに注意。
整数論の広範な話題を懇切丁寧かつ詳細に語ってくれる希有な本。1巻はp進数など。2巻は代数的整数論。3巻は解析的整数論。第2巻で整数環の基底の決定について詳しく書いているのはこの本の特徴だと思う。整数論なのでFourier解析とか測度論とかガロア理論とかそのほかいろいろの予備知識を必要とするが、ほかの本を極力参照しなくても読めるように配慮がなされている。誤植は結構あるがやはり著者のページに正誤表が出ている。おすすめ。
解析学Iの授業に先立って読んだが、授業のほうがよく整理されていた印象。測度論を勉強するには定番の本であり、実際良い本だと思うがもっと良い本はあるかもしれない。Lebesgue積分が存在することを最初に示しているが、退屈なので初読時にはそこは飛ばした方がいいと思う。測度論を勉強するほかの選択肢として、確率論系の本というのがある。後半の関数解析の話は黒田関数解析で読んだ方がいい。
初学者向けの本。話題を絞って丁寧に解説している。比較的すぐ読み通せるので初めにこちらを読み、そのあとアールフォルスを面白いところだけ読むのがいいと思う。アールフォルスは初めての人にはきつい箇所もあるから。
分厚くて読むのが大変そうな見た目だが、実は位相の説明に序盤のかなりの紙数を割いているため実質的な内容はそう多くない。説明が丁寧とは言えないが、本質を突いたことが 簡潔に書かれている良書。解析接続のところでなにやら難しいことが書かれていて面食らったが、普通は一致の定理が理解できていれば十分であると聞いて安心した記憶がある。
こんなに分厚いしさぞ丁寧に書いてあるんだろうなと思ったらそうでもなかった。誤解を招く表現、間断なく読者を襲う行間、不十分な定義と三拍子揃っている。読まない方がよい。どうしても読まなくてはいけない場合でも、少なくとも別のわかりやすい本を用意しておくべき。ただ具体例がたくさん載ってるのは素晴らしいので、しばらく読んでみようと思っている。雪江明彦先生のおすすめ。 演習問題の解答を作成中…。
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Fulton Harrisと違ってわかりやすいし、薄い。いちいち基底をとって表現行列を考えたがるきらいがある。
説明が丁寧な上に広範な話題を解説してくれる良い本。上級者向けの本と紹介されることがあるが、行間はないので初学者でも読める。ただし超関数の一般論は扱っていない。
説明は丁寧で行間もないのだが、例が深刻に欠乏しているので退屈きわまりない。多様体は位相空間ほどほかの分野で出てこないので、これは致命的だと思う。Loring W. Tuの「An Introduction to Manifolds」のほうが良書という評判を聞いた。
ミツヨシと読む。ジュッキチではない。加藤毅先生のおすすめだが、僕には難しすぎた。途中で挫折。この本で理解できる人は幾何学の素養が既にある人だと思う。
丁寧に書いてあるのだが、例が少ないので別の本で補う必要がある。位相空間は複素函数論や関数解析や代数的整数論といった分野で次々と登場するため、これを読んでからそういった分野の本を読むといいと思う。
浅岡正幸先生のおすすめと聞いた。すごく分厚い。絵や例がたくさん載っている。直感的な説明をし尽くしてから理論を語るという書き方で、くどいくらいたくさん説明してくれる。基本群を語る前に、まず投げ縄の話を…という調子。正誤表が著者のホームページで手に入る。演習問題がしこたま載っているが、答えやヒントは全くないという欠点がある。また、冗長なほどイメージを語る割に証明はザツで、行間がかなりある。でも代数的トポロジーの本で例や直感的イメージの説明がこれほど多い本は稀なので、読む価値があると思う。
僕にとって興味がわかない分野だが、随伴関手定理までは割とおもしろかった。圏論は教養。圏論の例はホモロジー代数や代数的トポロジーで多く出現するので、例が欲しい僕みたいな人はそういった分野の本を読むのがいいと思う。Tom Leinsterの「Basic Category Theory」の方が良書であるという評判をよく聞く。
二冊ともわかりやすくておもしろい。僕はラング線型代数も読んだが、こちらを推したい。微積の方は重積分の変数変換公式を厳密に証明していないし、ベクトル解析の説明が雑すぎるという欠陥を持つ。それでもよくまとまったいい本だと思う。
数論セミナーで使用していた本。マゾ向き。