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春セミナー2016†
- 春セミナーとは
- S2S団員が勉強してきたことを一般に向けて講義します。非団員の方や高校生の方、どんな方でも参加できます。また部分参加も可能ですのでぜひお越し下さい!
- 時期
- 3月9-10,23-25日
- 場所
- 京都大学理学部6号館207号室
プログラム†
- 3限…13:00〜14:30, 4限…14:45〜16:15, 5限…16:30〜18:00
| 03/09(水) | 03/10(木) | 03/23(水) | 03/24(木) | 03/25(金) |
3限 | | 有限体の分類(松田) | | 実多元体の存在問題と特性類(circle/池田) | |
4限 | 曲面上のリッチフロー(circle/宮本) | 身近なものの色の由来(藤巻) | 解析力学入門(島地) | 数論的力学系入門(さの) | 導来圏の構成(井森) |
5限 | カノニカル分布とその応用(角田) | モデル理論入門(あらたけ) | C^*環のK-理論~AF環の分類~(ryo) | 定常渦斑とその数値計算法(t_uda) | 位相のまとめ(今村) |
- タイトル:曲面上のリッチフロー
- 前提知識:多様体の基礎
- アブストラクト:ポアンカレ予想解決の為の重要な概念であるリッチフローについて、そのアイデアや二次元における結果を紹介致します。詳細は、下記URLをご覧下さい。
http://kansaimath.tenasaku.com/wp/wp-content/uploads/2016/01/NARUOHA.pdf
- タイトル:カノニカル分布とその応用
- 前提知識:熱力学の知識
- アブストラクト(仮):統計力学は、マクロな系における平衡状態の性質をミクロな力学の情報に基いて特徴づける学問です。講義では、統計力学に登場する確率モデルの中でも最も扱いやすいカノニカル分布を紹介します。そして、カノニカル分布を用いてよく知られた系の熱力学的性質を導いていきます。
- タイトル:有限体の分類
- 前提知識:代数の初歩的な知識(多項式環,剰余環など)を知っていることが望ましいが必要なら説明する。
- アブストラクト:有限体にはどのような構造のものが存在するのか、その一意性や具体的な構成法について紹介していきます。とりあえずは具体的に構成出来るようになってもらえればよいと思っている。余裕があればWedderburnの小定理などにも触れたい。
- タイトル:身近なものの色の由来~どうして葉っぱは緑なの~
- 前提知識:量子力学、光に関する初歩的な知識
- アブスト:世の中には色のついたものが多くあります。これらの色はどのような原理で色づいて見えるのでしょう?色がつく仕組みの分類とともにその原因を分子のスケールのミクロな観点から見ていきたいと思います。主に吸収による着色の話の予定ですが気が変わったら散乱による着色にするかもしれません。
- 備考:質問たくさん来ると色々議論出来てうれしい。
- タイトル:モデル理論入門
- 前提知識:なし(普通の数学に出てくる構造を具体例として言及することはあります)
- アブストラクト:モデル理論の初歩からはじめて、「モデル理論が何を研究対象としているのか」「どんな定理があり、どんな未解決問題が残っているのか」についてお話しします。特に、「モデル理論という分野はメタ数学として、数学のどのような側面を捉えているのか」について伝えることを目標にします。
- タイトル:解析力学入門
- 前提知識:微分可能多様体の基本的なこと
- アブストラクト:解析力学の綺麗なところであるハミルトン力学をシンプレクティック幾何の立場から考えます。一般化座標の空間を微分可能多様体として考えたとき、その余接束を、一般化座標と一般化運動量を座標とする空間と考えます。余接束には自然なシンプレクティック構造が入り、これがハミルトン方程式と密接に結びついています。講義ではネーターの定理と簡約、リュービルの定理、オイラー・ラグランジュ方程式へのルジャンドル変換等を紹介したいと思います。時間の都合上、気持ちを説明することが多いと思います。
- タイトル:C^*環のK-理論~AF環の分類~
- 前提知識:有限次元の線形代数、ヒルベルト空間および有界線型作用素の定義は仮定します。具体例は函数解析、関数解析続論の内容を仮定します。
- アブストラクト:有界線型作用素全体から成る空間の閉部分空間をC^*環であり、AF環は有限次元C^*環により近似されるC^*環のことです。C-*環の元を成分とする行列の射影全体をある同値関係で割り、これを拡張したものをK_0-群といい、AF環はこのK_0群により完全に分類されます。(Elliot)今回はこの証明の概略を説明します。
- タイトル:実多元体の存在問題と特性類
- 前提知識:可微分多様体(の定義)、ベクトル束の様々な構成やコホモロジーの概念については時間の関係で10秒しか喋れないのでスルーして下さい
- アブストラクト:四元数体や八元数体は有限次元の実多元体として有名ですが、いったい実何次元のものが存在するでしょうか?(例えば三元数体とか?)この問題は代数的な問題ですが、実は幾何的な条件から絞ることができます。ここで幾何学における重要な不変量、特性類が登場します。あくまで実多元の話をするつもりですが、一般的な特性類の性質についても少し触れたいです。
- タイトル:数論的力学系入門
- 前提知識:代数幾何の因子の理論を知っていることが望ましい。
- アブストラクト:修論でやったことに関連して、Kawaguchi-Silverman予想を紹介します。(達成目標)例を多めに出してできるだけ下回生も付いていけるように努力します。(努力目標)わからなかったらまあそのときはそのときで。(逃げ道)
- タイトル: 定常渦斑とその数値計算法
- 前提知識: 数値計算という概念を存在だけでも知っていること(計算機で近似計算ができるという事実を知っていること)
- アブストラクト: 最近やっている研究の話をします.
- タイトル:導来圏の構成
- 前提知識:圏の初歩的な用語
- アブストラクト:加法圏とアーベル圏を導入した上で、圏上のホモロジー代数、圏の局所化などを紹介し、導来圏の構成について講義しようと思います。
- タイトル:位相のまとめ
- 前提知識:なし
- アブストラクト:専門科目「集合と位相」で学習したことをまとめるとともに、距離空間での具体例を交えてどういう概念を学んだかを復習し理解を深めます。