#norelated **自主ゼミ参考図書 [#f904b8a0] いい本探すのに苦労するから作ってみた。やめたほうが良い本も混じってるから注意。 ***量子力学 量子化学 [#r718c9bd] 近似法までは量子力学も量子化学も変わらないのでまとめて書いておきます。 -Sakurai ゼミで読んだ。とてもわかりやすくまとまってるブラケットから入る形式の本。何かをを要請するときなどもその要請がどこから来たかなどを書いてくれてる。一方、説明が多いので辞書として使うには少し不向きと思う。あと、説明は丁寧だけど行間はけっこうあったり、難しい議論も多いのでそれなりに覚悟して読む必要がある。 -Shiff 困ったときに見ると大体載ってる。非常に便利な本。節が細かく分けられているので調べるときに参照しやすい。 -マッカ-リ・サイモン物理化学上 ゼミで読んだ。講義の参考書にも指定されてた。数学の補足などもちょくちょく入ってる初心者向けの本。個人的にはあまり好きではない。やたらと分厚い割には間違いも多いし、なにより自明でない式が突然説明なしで現れたり、単語が曖昧にしか定義されてなかったりであまり読みやすくない。 それと量子力学の導入が冗長。歴史にそって量子力学を導入しているけど歴史的な流れは他の分野の知識も多く必要で初心者向けではない。 -McQuarrie「Quantum chemistry」 上の本と同じ著者の本。名前が似ているけどこちらはかなりしっかり書いてあっておすすめ。日本語訳がないので読むなら洋書になる。 -原田義也 「量子化学」 McQuarrieに沿って書かれている量子化学の本。量子力学の導入部分を除いて非常にわかりやすい。下巻にはさまざまな近似法も載っていて本格的な内容になっている。字も大きくて読みやすい。日本語の本で最初に読むならこれ。 -szabo ostland 「新しい量子化学」こちらは量子力学の初歩を一切飛ばして近似法から入る量子化学らしい本。量子力学をある程度理解していることが前提となる。初歩的なことを省いている分専門的な計算は詳しく載っている。上巻ではHartree-Fock法の計算が主な話題になっておりこれを読めば量子化学の近似がどのような原理の上に成り立っているかはわかるでしょう。計算手法の説明が主になっているので将来計算化学をやらない人にはあまり役立たないかも知れない。 ***熱力学 [#aa3faf78] Lieb yngvason の論文以来熱力学の見直しの流れがあるようなので今世紀になってから出た本は絶対読むべき。違った視点からわかりやすくまとまっている本が多い。 -戸田盛和 「物理学入門コース 熱力学」伝統的な立場、歴史的な立場としてはわかりやすく書いてある。~ 以下最近の本 -佐々真一 比較的に伝統的な導入に近くてとてもとっつきやすい。初心者向けの本。 -田崎晴明 Helmholtz energyを基本にする本。Legendle 変換や自然な変数などの重要な概念がしっかり書いてある。 -清水明 エントロピーが最初に導入されるタイプ。非常に見通しよくまとまっているので一度は読んでおくべき。ただ少しとっつきにくいので他の本で熱力学がどんなことをやるのか把握しておいてから読むことを強く推奨する。 -原田義也 「化学熱力学」 化学熱力学の本。化学熱力学についてまとめた本としてはわかりやすく書かれている。熱力学の導入は伝統的なやり方。化学平衡のあたりからが化学熱力学らしくなる。化学熱力学は新しく定義される物理量が非常に多いので注意。 -マッカ-リ・サイモン物理化学下 ゼミで読んだ。上同様推奨しない。 -Prigogine「化学熱力学」化学熱力学の本。少し古いのが玉に傷だけどかなり詳しく書いてある。一部AtkinsやMcquarrieとは表記が異なっていたりするので注意。 ***統計力学 [#n7e08f1f] -田崎晴明 細かいところまで書いてある本。よく良い本だといわれるし実際読みやすかった。ただ脚注を使って多くの発展的な内容が書いてあり、ちゃんと理解するにはかなり読み込まなくてはいけない。相転移に関しては少し弱いので他の本で補うと良いと思う。 -久保亮五 「熱学統計力学演習」 有名な演習書。とりあえずわからない問題があればこれを見れば載ってる。熱力学、統計力学の標準的な問題を網羅した本。ほんとに何でも載ってる。章ごとの要約もかなりまとまっているけどあくまで演習書なので最初からこの本で勉強しようとすると間違いなくわけわかんなくなる。